2次関数
- この節では,2次方程式・2次関数の係数はすべて実数であるとします。
点・グラフの移動
$p$,$q$ を実数,$k$,$l$ を正数とする.$xy$ 平面において,
点 $(a,\,\,b)$ を,
点 $(a,\,\,b)$ を,
- $x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動 $\longrightarrow$ $(a+p,\,\,b+q)$
- $x$ 軸に関して対称移動 $\longrightarrow$ $(a,\,-b)$
- $y$ 軸に関して対称移動 $\longrightarrow$ $(-a,\,\,b)$
- 原点に関して対称移動 $\longrightarrow$ $(-a,\,\,-b)$
- $x$ 軸方向に $k$ 倍,$y$ 軸方向に $l$ 倍に拡大 $\longrightarrow$ $(ka,\,\,lb)$
- $x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動 $\longrightarrow$ $y-q=f(x-p)$
- $x$ 軸に関して対称移動 $\longrightarrow$ $-y=f(x)$
- $y$ 軸に関して対称移動 $\longrightarrow$ $y=f(-x)$
- 原点に関して対称移動 $\longrightarrow$ $-y=f(-x)$
- $x$ 軸方向に $k$ 倍,$y$ 軸方向に $l$ 倍に拡大 $\longrightarrow$ $\displaystyle\frac{y}{l}=f\Big(\frac{x}{k}\Big)$
2次関数のグラフ
- 2次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフは放物線となり,$a\gt 0$ ならば下に凸,$a\lt 0$ ならば上に凸となる.
- 2次関数 $y=a(x-p)^2+q$ のグラフは,$y=ax^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動した放物線であり,頂点は$(p,\,\,q)$,軸の方程式は $x=p$ となる.
- 2次関数 $y=ax^2+bx+c$ について,右辺を平方完成すると, \[ y=a\left\{x-\left(-\dfrac{b}{2a}\right)\right\}^2-\frac{b^2-4ac}{4a} \] より,頂点は $\displaystyle \left(-\frac{b}{2a},\,\,-\frac{b^2-4ac}{4a}\right)$,軸の方程式は $\displaystyle x=-\frac{b}{2a}$ となる.
2次方程式の解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は,
\[ x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]
特に,$ax^2+2b^\prime x+c=0$ のときの解は,
\[ x=\frac{-b^\prime\pm\sqrt{b^{\prime\,2}-ac}}{a} \]
判別式(1)
2次方程式 $ax^2+bx+c=0\,\,\cdots(\ast)$ に対し,$D=b^2-4ac$ とおく.
- $D\gt 0$ $\Longleftrightarrow$ $(\ast)$ が異なる2つの実数解をもつ
- $D=0$ $\Longleftrightarrow$ $(\ast)$ が実数の重解をもつ
- $D\lt 0$ $\Longleftrightarrow$ $(\ast)$ が実数解をもたない(異なる2つの虚数解をもつ)
判別式(2)
2次関数 $y=ax^2+bx+c$ に対し,$D=b^2-4ac$ とおく.
- $D\gt 0$ のとき,$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と異なる2交点をもつ.
- $D=0$ のとき,$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と頂点で接する.
- $D\lt 0$ のとき,$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と共有点をもたない.
2次不等式
$a>0$ とし,2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の判別式を $D=b^2-4ac$ とする.
- $D\gt 0$ のとき,$ax^2+bx+c=0$ の解を $x=\alpha$,$\beta$( $\alpha\lt\beta$ ) とすると,
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\geqq 0$ の解は「$x\leqq\alpha,\,\beta\leqq x$」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\leqq 0$ の解は「$\alpha\leqq x\leqq\beta$」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\gt 0$ の解は「$x\lt\alpha,\,\beta\lt x$」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\lt 0$ の解は「$\alpha\lt x\lt\beta$」
- $D=0$ のとき,$ax^2+bx+c=0$ の解を $x=\alpha$ (重解)とすると,
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\geqq 0$ の解は「すべての実数」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\leqq 0$ の解は「 $x=\alpha$ 」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\gt 0$ の解は「 $\alpha$ 以外のすべての実数」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\lt 0$ の解は「なし」
- $D\lt 0$ のとき,
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\geqq 0$ の解は「すべての実数」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\leqq 0$ の解は「なし」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\gt 0$ の解は「すべての実数」
- 2次不等式 $ax^2+bx+c\lt 0$ の解は「なし」