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大島学習塾のブログ

4次方程式の解の公式 ~ フェラーリの公式
2020年12月1日
以前,3次方程式の解の公式について書きました:

3次方程式の解の公式 ~ カルダノの公式 »

その記事の中で,カルダノの弟子のフェラーリが4次方程式の解の公式を発見したことについて触れました。
今回の記事では,そのフェラーリが発見した4次方程式の解の公式をご紹介しようと思います!!

方程式を簡単にする

それでは4次方程式の解の公式の計算を始めましょう!
ax4+bx3+cx2+dx+e=0(a0)(1)
という4次方程式を考えます。abcde はすべて複素数とします。
まずは,方程式を簡単にしていきます。
x4 の係数を 1 にするために,両辺を a(0) で割って,
x4+bax3+cax2+dax+ea=0
次に,x3 の項を消去するために x=yb4a と変換します。
このへんの流れは,3次方程式の場合と同じですね^^
x4+bax3+cax2+dax+ea=(yb4a)4+ba(yb4a)3+ca(yb4a)2+da(yb4a)+ea=y4bay3+3b28a2y2b316a3y+b4256a4+ba(y33b4ay2+3b216a2yb364a3)+ca(y2b2ay+b216a2)+da(yb4a)+ea=y4bay3+3b28a2y2b316a3y+b4256a4+bay33b24a2y2+3b316a3yb464a4+cay2bc2a2y+b2c16a3+daybd4a2+ea=y43b28a2y2+cay2+b38a3ybc2a2y+day3b4256a4+b2c16a3bd4a2+ea=y4+(3b28a2+ca)y2+(b38a3bc2a2+da)y3b4256a4+b2c16a3bd4a2+ea
となるので,
p=3b28a2+ca=8ac3b28a2,q=b38a3bc2a2+da=b34abc+8a2d8a3,r=3b4256a4+b2c16a3bd4a2+ea=3b4+16ab2c64a2bd+256a3e256a4
とおくと,元の方程式は,
y4+py2+qy+r=0(2)
と表されます。
狙い通り,3次の項が無くなりましたね^^♪

ここで,方程式 (2) において,q=0 の場合を考えます:
y4+py2+r=0
これは y2 についての2次方程式(複2次方程式)なので,2次方程式の解の公式を使って,
y2=p±p24r2
であり,両辺の平方根をとって,
y=±p±p24r2
を得ます。プラスマイナスの取り方で4種類の式が得られており,方程式 (2) の4つの解が得られたことになります。
このように,q=0 だと問題が簡単になるので,以下では q0 を仮定します。

方程式 (2) を,(y の 2 次式)2=(y の 1 次式)2 の形に変形するため,
y4=py2qyr
の両辺に形式的に ty2+t24 という式を加えてみます(t は後で決定します):
y4+ty2+t24=(tp)y2qy+t24r
tp0 として,両辺を平方完成すると,
(y2+t2)2=(tp){yq2(tp)}2q24(tp)+t24r(3)
となります。ここで,先ほど導入した t を,
q24(tp)+t24r=0(4)
が成り立つようにとることを考えます(左辺は平方完成で出てきたシッポの部分です)。
(4)t について整理すると,
t3pt24rt+4prq2=0(5)
となりますが,これは t についての3次方程式なので,カルダノの公式を使って解くことができます(方程式 (5) を,3次分解方程式と呼びます)。
方程式(5) で,t=p とすると,(左辺)=q2 となりますが,q0 を仮定しているので,t=p は方程式 (5) の解ではありません。
方程式 (5) の解の1つを t0 とすると,t0p であり,式 (3) は,
(y2+t02)2=(t0p){yq2(t0p)}2
と,シッポの部分がうまく消えて両辺が2乗の形になります。
両辺の平方根をとって整理すると,
y2+t02=±(t0pyq2t0p)
となります。
  • ここで,根号について1つ約束を決めます。複素数 z に対し,2乗すると z になるような複素数の1つを z と書き,上の式の t0p のように同じ記号が2か所以上現れるときは,それらは同じ数を表していることとします。
上の式のプラスとマイナスの式をそれぞれ整理して,2つの2次方程式
y2+t0py+t02q2t0p=0y2t0py+t02+q2t0p=0
が得られます。
2次方程式の解の公式を使ってこれらを解くと,
y=12(t0p±t0p+2qt0p)y=12(t0p±t0p2qt0p)
となり,方程式 (2) の4つの解が得られたことになります。
x=yb4aであったことから,元の方程式 (1) の解は,
x=b4a+12(t0p±t0p+2qt0p)x=b4a+12(t0p±t0p2qt0p)(6)
となります。
これで,(q0 の場合に)解を得ることができました^^♪
以下,(6) をより「解の公式らしく」するために,3次分解方程式の解 t の正体に迫っていきます!

3次分解方程式

3次分解方程式
t3pt24rt+4prq2=0(5)
カルダノの公式を使って解きます。
解は(とても長いですが^^;)次のようになります:
t0=p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18t1=p3+1+3i232p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+13i232p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18t2=p3+13i232p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+1+3i232p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18
ただし,立方根は
32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)1832p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18=p2+12r9
を満たすものをとることにします。
q0 のとき,この3つの解はいずれも p と一致しないので,どれをとっても大丈夫です。
以下,t0 を採用して解の公式の計算を進めていきます。

abcde で表す

3次分解方程式にカルダノの公式を適用して得られた t0 を,(6) に代入します。
…ご想像通り,ものすごく長い式です^^;
x1=b4a+12[(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12+{4p332p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)1832p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+2q(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12}12]x2=b4a+12[(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12{4p332p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)1832p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+2q(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12}12]x3=b4a+12[(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12+{4p332p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)1832p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)182q(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12}12]x4=b4a+12[(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12{4p332p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)1832p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)182q(2p3+32p372pr+27q254+3(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18+32p372pr+27q2543(128p2r2144pq2r+27q416p4r+4p3q2256r3)18)12}12]
最後に,
p=8ac3b28a2,q=b34abc+8a2d8a3,r=3b4+16ab2c64a2bd+256a3e256a4
を代入します。
やはり「解の公式」といえば,元の方程式 (1) の係数で解を表したいですよね^^!
x1=b4a+12[(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12+{3b28ac6a232c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a332c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+b34abc+8a2d4a3(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12}12]x2=b4a+12[(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12{3b28ac6a232c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a332c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+b34abc+8a2d4a3(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12}12]x3=b4a+12[(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12+{3b28ac6a232c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a332c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3b34abc+8a2d4a3(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12}12]x4=b4a+12[(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12{3b28ac6a232c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a332c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3b34abc+8a2d4a3(3b28ac12a2+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a3+3(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3+32c372ace+27b2e+27ad29bcd54a33(256a3e3+192a2bde2+128a2c2e2144ab2ce2+27b4e2144a2cd2e+6ab2d2e+80abc2de18b3cde16ac4e+4b2c3e+27a2d418abcd3+4b3d3+4ac3d2b2c2d2)18a3)12}12]
はい,メッチャ長い式になりました。
…ちょっとヤケになっている部分もあります(笑)
このブログで,どのくらい長い式が書けるのかの実験もかねて,4次方程式の解の公式を係数で表してみました。
これだけ長い式が書けるなら今後困ることはありませんね^^

おわりに

以上,4次方程式の解の公式をご紹介しました。
ぜひ,3次方程式の解の公式の記事もあわせて読んで,解の公式発見の歴史の一部を学んでみてください。
中高生がこれを読んで,数学・数学史へ興味を持ってくれたら嬉しいです。
3次・4次と来たので次は5次方程式か?と思われるかもしれませんが,5次以上の方程式に対しては,ここでご紹介したような形の「解の公式」は存在しないことが証明されています。
「解の公式」が存在しない証明ってどうやるんだ?など,疑問・興味がわいた方はご自身で学習を進めてみてください。
いつか,私もブログの記事にするかもしれません^^
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コメント一覧 (25)
まうさん
2022-07-14 10:22:54
よくわかりました。
ありがとうございます
大島学習塾さん
2022-07-31 07:51:01
まう さん、コメントありがとうございます!^^
よくわかった、と言っていただけるのが何より励みになります。
今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。
antさん
2023-03-22 14:05:22
このサイトを見つけてとても便利でした!
解の作り方について詳しく解説していてわかりやすかったです。
4次以上の方程式には解の公式は代数的なものは存在しませんが、楕円関数か、超冪根を使えば5次方程式の解の公式を作ることができますが、それについて詳しくまとめているものがないのでぜひ見てみたいです。
頑張ってください!!
大島学習塾さん
2023-03-23 15:52:51
antさん、コメントありがとうございます。
4次方程式の記事を書いた後、5次方程式の解の公式について記事にすることも考えました。
しかしながら、楕円モジュラー方程式の解に帰着させる解法は、私の浅学のため、内容を正確に理解し分かりやすく詳細を伝えることが難しいと思いました。
当ブログは、高校数学くらいを予備知識とし、意欲的な高校生・受験生や一般の数学愛好家の方々を対象に、できるだけ証明を省かずに情報をお伝えすることを基調にしております。
一方で、超冪根による解法というのは、よいヒントをいただけたかもしれません。
ブリング-ジェラードの標準型(x^5+x+a=0)を得るまでの、変数変換の計算を詳細に述べ、最後に新しい記号の導入によって解の表示を得るという流れは、1つの記事として形になるかもしれません。
いずれにせよ、難解な文献の解読や膨大な計算が必要になると思われます。
これに関しては、私のライフワークの一つして進めてまいります。
必ず記事が出せるとお約束もできませんが、気長にお待ちいただけると幸いです。
頑張ります!!
とととさん
2024-03-10 11:47:24
中1です。
予想してましたけど、やっぱりめっちゃ長い式ですね…。
いつも分かりやすく解説して頂いて、ありがとうございます!
大島学習塾さん
2024-03-11 10:24:03
とととさん、コメントありがとうございます。
4次方程式の解の公式を、2次方程式の解の公式のように、元の方程式の係数で表しているものは印刷物では見当たりませんでした(…紙面を多く取りますので^^;)。
そこで紙面に制限のないWebの特性を活かして、長い式を表してみました。
分かりやすいと言って頂けるのは励みになります。
数学の記事の更新が滞っており、申し訳ございません。
久光太陽さん
2024-03-24 13:33:25
すごかった
もちのロンさん
2024-03-27 20:15:17
4次方程式の特殊な場合(次のようなax^4+dx^2+e=0)に対する名前などはありますか?また,それに対する解の公式はありますでしょうか?(b=0,c=0を代入したものではありますが...)コメントにて先述のブリング-ジェラードの標準型のような名前などがあれば知りたいです.
大島学習塾さん
2024-03-28 09:02:21
久光太陽さん、コメントありがとうございます。
本当にすごい式ですね!
大島学習塾さん
2024-03-28 10:39:32
もちのロンさん、コメントありがとうございます。
4次方程式
ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0
において、b=d=0の場合:
ax^4+cx^2+e=0
は複2次方程式と呼ばれていて、本文中でも触れましたが2次方程式の解の公式に帰着して解くことができます。
また、b=c=0の場合:
ax^4+dx+e=0
あるいはもっと簡単にした
x^4+x+f=0 …(※)
の形の方程式(5次方程式の解法におけるブリング-ジェラードの標準形にあたるもの)を何と呼ぶのかについては、分かりませんでした。
5次方程式の変数変換のマネをして、(※)の形の方程式が得られるのは計算を確かめました。しかしながら、5次方程式の場合の楕円モジュラー方程式のような、(※)の形の方程式の解を表示するのに有効な理論が存在するのかも分かりません。
分からないことだらけで申し訳ございません。
まっすんさん
2024-05-21 10:37:23
簡単すぎる
大島学習塾さん
2024-05-27 10:59:56
まっすんさん、コメントありがとうございます。
できるだけ、分かりやすい解法・解説を心がけております。
簡単に感じていただけたのなら幸いです。
ゆずぽん5さん
2024-08-30 08:18:52
5次方程式の解の公式なんでないのか教えて下さい
大島学習塾さん
2024-08-30 09:47:55
ゆずぽん5さん、コメントありがとうございます。
「5次方程式の解の公式がない」ことの証明はここでは書けませんが、「解の公式がない」ということの意味を説明しようと思います。
例えば、2次方程式x^2=2(^2は2乗の意味)の解を表すのに平方根の記号が必要です。
3次方程式x^3=2の解を表すのに立方根の記号が必要です。
本記事でご紹介した4次方程式の解の公式にも、平方根や立方根が登場しています。
対して5次方程式の場合には、四則演算と〇乗根だけでは解を表示できないものが存在します。
この事実を「5次方程式には解の公式が存在しない」と呼んでいます。
2次方程式のときに平方根を導入したように、5次方程式の解を表すために新しい記号を導入すれば、5次方程式の解の公式を作ることができます!
ご質問の内容とは少しズレたことを書きました。
「こんなこと知っていたわ」という場合にはどうかご容赦ください。
ゆきさん
2024-10-26 20:33:22
4次方程式の解の公式って見た感じx1~4まで同じ数式に見えるんですが一番左の符号が違うだけで他は一緒なんですか?
大島学習塾さん
2024-11-24 12:27:39
ゆきさん、コメントありがとうございます。
とても長い式なので見分けるのが大変ですね。
計算途中の(6)の式をみれば、4つの解の符号のつけ方が分かります。
参考になさってください。
匿名希望さん
2024-11-27 15:34:08
^_^ありがとうございました^_^
大島学習塾さん
2024-12-07 14:13:23
匿名希望さん、こちらこそありがとうございました。
2,3次方程式覚えてますIQ228さん
2025-01-07 12:24:29
小2です。計算は、誰からも僕の計算力に頼られます。
一気にくると慌てちゃいます。
でも、計算IQ228の僕に頼られるのわ当たり前ですよね~
これがあったら4次方程式も覚えられそうです。
有難う(ありがとう)ございます。
まつたろうさん
2025-02-12 10:34:55
むずすぎて理解できない...6か月ぐらいかけてじっくり理解するとするかぁ...
[]さん
2025-02-26 19:41:02
元の方程式の係数で解の公式を表してくれるのありがたすぎる
サーさん
2025-02-27 18:23:50
ご存じかと思いますが、ガロア理論で5次以上の方程式に解の公式が存在しないことが証明されています。ガロア理論自体がかなり難しいのですが
分かりやすく解説して頂きたいです。
匿名さん
2025-04-26 16:51:11
この公式はq=0の時も成り立ちますか?成り立つなら証明方法を教えていただきたいです。
大島学習塾さん
2025-04-29 22:19:53
サーさん、コメントありがとうございます。
他の方のコメントでもご要望を頂きましたが、ガロア理論は、私の学生時代の専門から遠く、さらに長年遠ざかっているのもあって、私の能力では分かりやすい解説を行うことは難しい現状です。
申し訳ございません。
大島学習塾さん
2025-04-30 22:16:23
匿名さん、コメントありがとうございます。

記事の最後に得た「公式」は、q=0では成り立たないことがあります。

q≠0を仮定すると、3次分解方程式の解t_0が必ずt_0-p≠0をみたし、その条件下で続きの計算を行っています。

一方で、q=0の場合には、t=pが3次分解方程式の解の1つになってしまい、t_0=pを採用すると、続きの計算が無秩序なものになってしまいます。

具体的に、
x^4-5x^2+4=(x+1)(x-1)(x+2)(x-2)=0
などに「公式」を適用すると、(立方根の取り方によっては)うまくいかないことが分かります。

複素数に対し、その立方根は3つ存在します。
t_0≠pとなるように立方根を上手く選んであげると、q=0の場合の解も「公式」から正しく計算できます。
しかしながら、立方根の記号だけではどの値を採用するのか指示することはできません。
その意味では、どの場合にも適用できる「万能の公式」はこの方法では作れません。